キー・レベルを割った米国株式市場:株を売った資金はどこへ行った?

正に月曜の再来、木曜の米国株式市場は惨憺たる展開となりました。


ダウは4%を超える厳しい下げ、そしてS&P500とナスダックも、ほぼ4%の大きな下げとなりました。とにかく大幅下落だっただけに、マーケットは投資家たちが監視していた火曜の安値を割ってしまいました。

先ず、米国株式市場のバロメーターであるS&P500指数の日足チャートから見てみましょう。


長い陰線が形成され、キー・レベルとなる火曜の安値を割っての終了です(A)。なぜ火曜の安値が重要なレベルなのでしょうか?見てのとおり、火曜は大陽線が形成され、多くの人たちが反発ラリーの開始を信じて買い出動しました。では、買った人たちは、どこに損切りを設定したでしょうか?どんなことが起きたら、買いが間違っていたと判断するでしょうか?言うまでもなく、火曜の安値がキー・レベルになり、そこを割ることは損切りを意味します。

入れた移動平均線は、上から20日(1)、50日(2)、200日移動平均線(3)の順番になります。現在のS&P500指数の位置は20日と50日移動平均線より下にあり、短期と中期投資家はマーケットから既に退散している、と解釈することができます。

次の注目は迫っている200日移動平均線(3)です。S&P500指数は、この移動平均線よりまだ上にありますから、長期投資家たちの姿勢は買いです。しかし、この移動平均線を決定的に割ることは、長期投資家たちのマーケットからの退散を意味しますから、本格的なベアマーケット入りとなる可能性もあります。

ナスダックも同様な状況です。


火曜の安値を割り、長期トレンドを示す200日移動平均線に接近中です。

次はダウ平均です。


4.15%の大きな下げ幅でしたが、矢印で示した部分で分かるように、ダウはキー・レベルである火曜の安値をまだ割っていません。しかし、1000ポイントを超える下げですから、「明日は買ってやろう!」と買い気満々な人が多数いることなど考えられません。

株を売却した資金はどこへ向かったのでしょうか?普通なら避難場所として国債が選ばれますが、速い速度で上昇する国債利回りが株の売り材料になっている訳ですから国債へは資金は向かっていません。

では、株を売った資金は金へ向かっているのでしょうか?下は、金のETFの日足チャートです。


50日平滑移動平均線がサポートになったようだ(1)、といった程度の事を言うことならできますが、今日の結果はたったの+0.15%ですから、株を処分した資金が急ピッチに流入しているなどと言えた上げ幅ではありません。更に、出来高(2)は昨日より減っていますから、積極的な買い手の参入を見ることはできません。

では、資金は商品市場へ向かったのでしょうか?


上は、商品のETFの日足チャートです。見てのとおり今日は陰線、商品に資金は避難していません。

では、ビットコインへ資金は向かったのでしょうか?下は、ビットコインの投資信託の日足チャートです。


プラス1.86%で木曜の取引を終えました。しかし、形成されたのは陰線(1)ですから強いと言える取引内容ではありません。出来高(2)も前日の量を下回っていますから、積極的な買い手続出などと言える状況ではありません。

ということで、株は大きく売られましたが、売って得た資金は単に現金ポジションになっただけです。今はどこへも投資したくない。良い機会が現れるまで現金で持っていよう、という守りに徹した投資家たちの姿が明確です。




上は、CNNマネーに掲載されている恐怖&欲指数(Fear & Greed Index)です。現在の数値は8ですから、投資家たちは株に対して大きな恐怖を感じています。この数値が一桁台に下がることは滅多に無いことですから、投資家たちがいかに悲観的になっているかが分かります。

上記したように、株が崩れている大きな理由は速い速度で上昇する米国債の利回りです。とにかく国債市場が安定しないことには、投資家たちは株を買う気にはなれません。

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