あまり一般的でない移動平均線の話

少数の人たちを除き、ほとんどのトレーダーのチャートには移動平均線が入っています。何故でしょうか?

  • トレンドを把握するために移動平均線は役に立つ。
  • 移動平均線はレジスタンスやサポートになることがある。
  • 売買のタイミングを計るために利用することができる。
その他にも、移動平均線は株価の行き過ぎを判断するために使われています。「現在の株価は、20日移動平均線から20%も上に離れている。これはいくらなんでも行き過ぎだ」、という乖離率を意識した移動平均線の使い方です。
一般的に利用されている移動平均線は二つあります。
  • 単純移動平均線 (simple moving average, SMA)
  • 指数平滑移動平均線 (exponential moving average, EMA)
どちらが優れているか、ということが議論されますが、これはトレーダーの好みなので、自分のスタイルに合った方を使えば良いと思います。

あまり利用されていないのは、displaced moving average (DMA)です。displaceというのは「移す、ずらす」という意味なので、この移動平均線は「変位移動平均線」と訳されているようです。

ずらし方には二つあります。先ず、普通の3日移動平均線(単純移動平均線)を見てみましょう。下は、フェイスブックの日足チャートに3日移動平均線を入れたものです。


下は、3日移動平均線を、左へ3つずらしたものです。


矢印の部分で分かるように、左へずらしたので、最近3日間のローソク足の下には移動平均線がありません。

下は、3日移動平均線を右へ3つずらした場合です。


右へ三つずらしたので、8月4日のローソク足の上にあるのは、8月1日の移動平均線です。

それでは、3本の移動平均線を全部一緒に表示させてみましょう。


緑の線は、3日移動平均線を左へ3つずらしたもの、青は普通の3日移動平均線、赤は3日移動平均線を右へ3つずらしたものです。

売買タイミングを計るためには役立ちませんが、現在のマーケット環境がどのようなものであるか、または投資心理を把握するのに役立ちます。分かりやすいのはAの部分です。3本の移動平均線は揃ってきれいに上昇し、トレンドは明らかなアップトレンドです。言い換えると、トレード心理は強気です。

現在の様子を見てください(B)。移動平均線は、揃ってきれいに上昇していません。Aのような明確な上昇基調ではありませんから、現状は買い手が圧倒的に優勢ではありません。

最後にテスラの日足チャートを見てみましょう。


移動平均線を見る限り、現時点ではハッキリとしたトレンドはありません。金曜のローソク足(一番右側)は大陽線ですから、これで買い手が再度優勢になったと思われますが、最近の混沌とした移動平均線にはトレーダー達の迷いが表れています。

繰り返しになりますが、この3本の移動平均線の組み合わせは売買タイミングを計るためには役に立ちません。しかし、投資心理を判断するために役立つ一方法です。

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